肝臓疾患の患者から


 わたしは、原発性硬化性胆管炎(PSC)、限局性結節性過形成(FNH)といういずれも肝臓の病気で、現在、日本臓器移植ネットワークに脳死による肝臓移植のレシピエント登録をして、待機している患者です。30代で♀ですが、独身です。

 河野元外相とは病気が違いますが、わたしも肝臓移植をしないと治癒しない病気です。
 肝臓移植されてお元気になられていく方を見ていると、とても嬉しく励みになります。
 早くわたしも移植手術を受けて元気になり、今のわたしのような状況に置かれている方々のお力になりたいと思っています。

 しかし、わたしは生体肝移植が不可能で、また海外に行くには経済的にも無理で、国内での脳死による臓器提供を頼らざるを得ません。いつになるかわからない移植手術、社会復帰を待つということは、不安がいっぱいです。精神的な不安は自分で乗り切るしかありませんが、金銭的な不安は国のお力を借りるしかないと思っております。具体的に挙げると、

(1) このような病態になってしまい、仕事も退職せざるを得なくなってしまいました。
 でも、生活していかなくてはならないし、現在の毎月の医療費も膨大です。

(2) 海外へ移植に行くにはもちろんのこと、生体にしても、脳死にしても、移植手術の費用はただならぬ金額です。あまりの費用で脳死者からの善意の臓器提供のチャンスがあってもお断りする方がいらっしゃることを聞いております。

(3) わたしの疾患(PSC)は「肝臓移植が適応している」と言われてます。しかし、公費負担の特定疾患には指定されておりません。一方で、同じレベル(肝移植適応)の肝疾患(PBCやウィルソン病)でも公費負担の特定疾患に指定されているのもあります。
 同じ移植手術を受けたとしても、片や自費で、片や公費ということに矛盾さえ感じます。
 心臓疾患にもそのようなことが起きているようです。

 患者というのはいつも弱い立場に置かれており、なかなか声を大にして言えないものです。
 国民の中のたったひとりの「独り言」に過ぎないかもしれませんが、わたしの声が届いたら大変嬉しく思います。そして、ひとつでも多くの難問を解決していただけたら、わたしだけでなく、移植を目の前にしている患者さんやご家族の方々が助かることと思います。
 どうもありがとうございました。

2002年6月28日 mさん

 1日も早くご回復されますように


 私の家内も、信大1外にて、生体肝移植を、していただきました。信大の先生方は、皆様慎重でいらっしゃるので、大丈夫です。又肝移植は、信大の先生方の得意技ですので、ご安心下さい。1日も早いご回復を、お祈りしております。
 ところでお願いが有るのですが、私の家内の病気なのですが、原発性硬化性胆管炎(PSC)で、是非先生のお力で特定疾患の認定をお願いしたいのです。ほとんど同じ原発性胆汁性肝硬変(PBC)は認定されています。
 この様にほとんど同じ病気なのに、認定されないのは、納得出来ないのです。又生活も苦しいのが実情なのです。厚生行政が公平におこなわれるよう、是非宜しくお願い申し上げます。難病を持って苦しんでいる私達家族をどうかお救い下さい。

2002年4月17日 長野市 関 和男さん

 河野洋平からの返信

 PSC(原発性硬化性胆管炎)、PBC(原発性胆汁性肝硬変)ということばを初めて知りました。いずれも肝臓から胆汁を運び出す胆管の具合が悪くなり、肝臓内に胆汁がたまってしまうことが原因になって肝臓の機能が損なわれるという点では、専門家でない私にとってはほぼ同じ種類の病気のように思われます。
 それではなぜPBCが医療費の自己負担分が軽減される特定疾患に指定されているのに、PSCが指定されていないのでしょうか。特定疾患治療研究事業は「希少で、原因不明、治療方法が未確立であり、かつ、生活面への長期にわたる支障ががある疾病として調査研究を進めている疾患のうち、診断基準が一応確立し、かつ難治度、重傷度が高く患者数が比較的少ないため、公費負担の方法をとらないと原因の究明、治療方法の開発等に困難をきたす恐れのある」疾患を対象としていますが、PSCは症例が希少であり、異なった病態がPSCの名の下に含まれるので「診断基準が確立していない」とされているようです。
 しかし、それ以外の点ではむしろPSCの方がPBCよりも、この制度の趣旨に合っているようにも見受けられます。指定の決定は「特定疾患対策懇談会」の意見を聞いて厚生労働省が行っており、ここで適切な判断がなされているかを検証し、実態に即した決定が行われるよう求めていきたいと思います。