重い移植手術の医療費負担


 退院、おめでとうございます。

 私は昨年の9月に父からの生体肝部分移植を受けた26歳の女性です。
河野洋平さんが私と同じ手術を受けるという報道を聞いてからずっと気になってHPなど見ていました。まずは手術の成功、退院おめでとうございました!!

 私は昨年の夏に急に原因不明の肝炎になり、入院1週間後に意識不明の重体になってしまい、気がついたら別の病院にいて手術が終わっていました。どうやら運悪く劇症肝炎になって移植しないと助からないということで父親の肝臓をもらっての緊急手術だったようです。まさか自分でもこの年で死にそうになるとはまったく思ってもいないことでした。今までに3ヶ月、2週間、1ヶ月と3度の入退院を繰り返しましたが、やっと7月から会社に行ける状態になりました。

 私は緊急手術だったにも関わらず、両親とも肝臓が合っていたので運がよかったですが、家族でも合わない人もいます。また、河野さんもご存知のように手術には莫大なお金がかかります。術後も感染を防ぐために個室に入らなければならず、部屋代だけでもすごい金額です。私の場合は祖母の貯金のおかげでなんとかなりましたが、お金のない為に手術を受けられない人もいると思います。15歳以下はただでそれ以上は数千万なんて同じ移植手術なのにおかしいと思いませんか?

 入院中に知り合った22歳の女の子は腎臓移植をし、そのうち肝臓移植もしないといけないそうです。その子の母親は私の話を聞いて、「そんなにお金がないからなんとか肝臓がもってくれるといいんだけど…」と言っていました。
 他にも入院中に知り合った女の子で、以前オーストラリアで肝移植を受けた子がい るのですが、最近その子の東京都の難病医療費控除が打ち切られてしまったそうです。彼女の病気は先天性胆道閉鎖症で、最終的には肝硬変になってしまうので移植しかなかったそうです。なので東京都への申請は「肝硬変」でしていた為、今回肝硬変は対象外になってしまったようです。私は病名が「劇症肝炎」なので特定疾患に認定されていて控除されていますが、どんな病気にしろ移植してしまえば一生免疫抑制剤を飲まなければならず、薬代だけでも高額なのでばかになりません。
 また、彼女は腎臓移植をした人と結婚しているので二人分の医療費は厳しいようです。

 私も病気になって初めて分かったことですが、病気のことはなった人でないと分からないことがたくさんあります。河野さんも移植患者になったからには率先して日本での移植に対する考えを変えていって欲しいと思います。同じ移植を受けた者同士でも、河野さんは私なんかより絶対的に影響力があります。是非その影響力を利用して欲しいと思います。河野さんには臓器移植の件で活躍してほしいです。

 私からは、
(1) 15歳以上の生体肝移植手術の保険適用
(2) 移植者に対する医療費控除の設定
をお願いします。
 息子さんの肝臓が合って、うまくいっているのもきっと河野さんにはまだやらなければならないことがあるからだと思います。

 ここまでは政治家の河野さんに対する望みですが、同じ移植者として言うならば、がんばりすぎて無理はしないで下さい。私はもう術後10ヶ月たちますが、いまだに肝機能は安定していません。数年前に肝移植した人の話を聞くと、初めの4、5年は落ち着かず、入退院を繰り返していたそうです。病気の違いや個人差はあると思いますが、それは仕方ないと思います。

 HPで見ましたが、私も病気になるまでは、「たいていのことは努力すればなんとかなる」と思っていました。でも病気だけはがんばっても悪くなるときは悪くなり、解決してくれるのは時間だけだと思いました。(この年でそんなことに気付きたくなかったですが…)
 政治家というのは激務だと思いますが、せっかくもらった第2の命です。無理せず大切にして下さい。長々と失礼しました。お大事になさって下さい。

2002年6月28日 東京都 F・Jさん

 ご成功をお祈りします


 先ほどテレビのニュースで現在生体肝移植手術を受けられておられるとお聞きし、居てもたってもいられずメールをお送りしました。実は私も去る3月12日に実弟へ肝移植をし退院してきたばかりの者です。レシピエントである弟は現在も闘病中ですが、手術は成功し、一日も早く元気で退院できることを祈るばかりです。
 生体肝移植は増えたとはいえ、まだまだ世間の認識は遅れており、私共は費用の捻出に四苦八苦しました。河野先生の手術が成功し、一日も早く復帰されますことを心よりお祈りしますと共に、費用が出来なくて手術を断念しなければならない多くの人のために、何か出来る事はないか?と考えている人間がいることをお伝えしたいと思いこれを送ります。

2002年4月16日 kawamuraさん

 生体肝移植について


 私の姉も8月に生体肝移植を受けられることが決定し何とか命を取り留めることが出来たと安どいたしていますが費用がなんとしても掛かり過ぎることに苦慮いたしております。腎不全の場合は身体障害者手帳が発行され治療費はおろか色々なことに免除がありますが肝臓に関しては全然有りません。
 政治をつかさどる方でしかも肝移植を受けられた、河野さんのお力を持ちまして、肝移植によってのみしか生きられない患者に身体障害者手帳の交付が出来るような働きかけをしていただけないでしようか.最後になって申し訳ありません河野様のご健康と今後のご活躍を心よりお祈りいたしております。

2002年6月25日 haseyamaさん

 河野洋平からの返信

 生体肝移植は提供する人と提供される人の二人の手術が必要になり、必然的に手術費は高くなります。医学的に二人の移植のための条件が適合しても経済的に無理となった時に考えられるのは保険ということになります。そもそも保険というものの考え方は「誰にでも起こり得ることだが、誰に起こるかわからないリスクに対して、皆が少しづつ積み立てをしておいて、たまたまリスクに直面したひとに過大な負担がかからないようにする」といったことだと思います。ウィルスへの感染が原因と考えられる肝臓移植手術は、その高額なコストを考えればまさしく保険の考え方で対処すべき問題だと思います。
 しかし、現在医療保険財政は逼迫しており、ただ「移植医療を保険の対象にすべき」と主張してもそれが通る情勢にはないと思います。医療保険制度全体をシンプルで効率的なものに再編成していく中で、先端医療技術の開発と並んで今後公的な支出を充実していくべき分野の一つだと思います。 
 脳死からの提供の普及や薬品の開発と共に、長期的にはES細胞(胚性肝細胞)などを利用した自己の臓器を再生する医療技術の開発を進めることにより、移植が不要な時代がやってくるかもしれませんから、そのための研究に政府は力を入れていくべきですが、現状では信州大学医学部が申請しているES細胞から心筋や肝臓の細胞を作りだす計画の許可申請が7月24日の文部科学省の専門委員会で「継続審議」とされるなど、まだまだ時間がかかりそうです。そのため、現在は移植が唯一の選択肢という患者が多数おられるという現実に対処することが必要です。