大変失礼を申し上げますが…


初めまして、こんにちは。
私はこの前、中学校を卒業したばかりの神奈川県に住む、15歳の小娘です。
こんな私のメールに、目をとうして頂けたら光栄です。

私が聞きたい事とは、今の政治家の事です。
過去の事を掘り返して、公表して、辞職して・・。それが悪いこととは全く思っていません。しかし、大変失礼を申し上げますが、今はもっとやるべきことがあるのではないにでしょうか・・?

納税者である父を、母を、毎日みています。
父は数年前から単身赴任をしています。不景気でリストラされる事にくらべたら・・・と言っています。痴呆の老人病棟を担当する看護婦をしている母は、毎日くたくたになって帰ってきます。

少子化が進む一方で、老人の数も増えているようです。
そしてパートなのに税を納めています。
お母さんたちが定年する頃には年金もらえないかもね・・と言っています。
母は家に帰ると、まだ小学生の私の妹の宿題をみて、予習、復習をさせます。

4月からは、ゼッタイ評価が始まります。そして、週休2日制、ゆとり教育がもっと取り入れられるらしいですね。
ゆとり教育は「学校での勉強時間が足りなくなるので、後は家で補う」となってるそうですね。結局は、親がみるか、学習塾の経営を応援する事になります。
ゆとりを感じるのは子供でも親でもないんだね、と母は言いました。

でも、父や母がこの不況の中で働き稼ぎ、納めた税で買ったお茶を飲みながら過去の話だけをしないでほしいと、テレビのむこうに叫びたいです。
おそらくお茶だけではすまない場もあると思います。
1円も無駄にしないでほしいのです。

河野様、どうでしょう。
私の話、ここまで聞いてくれているでしょうか・・・?
母が退職したら年金はどうなるでしょうか?
ゆとり教育で育った私たちが大人になる頃は、社会はどうなっているでしょうか?
本当に失礼ばかり申し上げてすいませんでした。
私のような生意気な小娘に大切な時間をくださってありがとうございます。

2002年3月27日 神奈川県・Sさん

 河野洋平からの返信


 お若いのに、たいへん礼儀正しくしっかりした内容のメールを拝見し、嬉しく思います。読ませていただき、わが意を得たりという気持ちです。

 テレビのワイドショーでは、あいかわら鈴木宗男さんがどうした、田中真紀子さんがどうした、いやいや辻本清美さんが、加藤紘一さんがと大賑わい。そんなカラ騒ぎの一方で、パレスチナ問題など世界政治にとって焦眉の急の問題や、不況下で厳しい経営を強いられている中小企業の現実、年金や医療の財政
逼迫など、肝心な問題がちゃんとまな板に乗せられているとは見えません。

 ただ、幸いSさんを初め少なからぬ人々が、そのことを強く意識するようになってきているようです。例えば、この前は高樹のぶ子さんという作家が『毎日新聞』に、「攻撃において魅力を発揮する『悪口上手』が、テレビのスターになるのは解(わか)るけれど、責任をもってモノを作り動かす能力は別だということを、テレビはなかなか伝えない。攻撃性こそが魅力なのだ。そして視(み)ている方は、『あんなに凄(すご)い攻撃が出来る人なのだから、大したことをやってくれるだろう』と錯覚する。だがやがて錯覚は破られ、深い失望が来る。その失望は、『大したことをやってくれるだろう』と思わせたテレビにも向かうはずだ。」と書いておられるのもその一例だと思います。
 http://www.mainichi.co.jp/eye/kaze/200203/31-1.html

 派手な身振り手振りや「口撃」ではなく、国民一人一人の現実の生活、特に長期的な年金などについて、政治家は国民にしっかりと情報と選択肢を示し、明朗会計で政治を運営していくようにならなければなりません。

 私もベテラン政治家として、今後は「バック・トゥー・ザ・ベイシックス」と念じつつ基本政策について立案に励みたいと思います。

 Sさんも、これからも気のつくこと、疑問に思うことを国会議員や県会議員、市会議員あるいは市長・町長といった人々にメールや手紙でぶつけ、目を覚まさせる努力を続けて下さい。「政治家にお任せ」では決して政治は良くなりません。