秋の夜長---- あの日の風景に思いをはせて

穏やかな時間が流れる秋の夜長はのんびりと読書を楽しんだり懐かしいアルバムをめくったりと自分だけの時間を楽しみたいもの。今月は秋ならではの色づく花材を使ったアレンジメントです。

佐々木紀江
東京在住。日本フラワーデザイナー協会講師資格取得。佐賀新聞文化講座講師。個人教室開設。RKB毎日放送、サガテレビの情報番組にフラワーアレンジメントを提供。

 赤や橙、黄色と草花が柔らかな色に染まる秋、どことなく感傷的な気分にもなる季節だと思います。秋の夜長という言葉に象徴されるように、読書など静かな時間を過ごすには最適な時期ではないでしょうか。秋の草花といえば、ススキやリンドウ、キク、ムラサキシキブなどが挙げられますが、今月はこうした秋ならではの色を楽しめる花を使って、自分のためにゆったりとした時間を楽しむ空間を彩ってみましょう。
 今回のアレンジメントでは、鉄鍋の中に枝を十文字に渡して固定し、高さのない器から花材が倒れないようにして生けています。これは定めた場所と花の向きを合わせて、少しの花材の茎をしっかりと固定する方法になります。大きく生けたいときにも応用が利く茎を固定する方法はこれ以外にもいろいろとありますが、器の素材や花材に合わせた方法で花材を固定したほうが、花の持ち味を活かして素敵に楽しむことができます。
 花を固定する方法は幾つかありますが、簡単にできるものとしては、目の粗い金網を器の中で引っかかる位に丸めて網目の間に茎を挿し込む方法や、器がガラスや薄いガラス製であれば、ゆるく巻いたアルミワイヤーを器に入れ、ワイヤーとワイヤーの間に茎を挟んでいくように生けていくものがあります。
 ポイントとしては、器や小物に季節感を出すこと。今回は器に鉄鍋を使っていますが、一輪挿しの感覚で楽しむ花材も器や小物で秋らしい雰囲気がより引き立つものにアレンジできます。気に入った草花を組み合わせて、身近な秋を満喫してみてください。



撮影◎インプレス 鈴木雅之