浜内千波の料理おさらい帳
おいしいごはん 基本のひとさじ 

[其の八]

芳醇な香りで料理に深みとコクを与える酒。
風味を引き出すだけでなく、肉や魚の臭みを取ったり、
柔らかくしたりと下ごしらえにも多用されます。
今回は、和食に合う酒を中心に、賢い活用法をお届けします。

浜内千波 はまうち・ちなみ
徳島県生まれ。大阪成蹊女子短期大学栄養課卒業後、OLを経て岡松料理研究所へ入所。90kgあった体重をヘルシーな食事で落とした経験があり、健康的なダイエットのエキスパート。「とにかく楽しく、料理をいろんな視点で考える」ことをモットーに活動している。

風味やコクを深める酒

 和食には、日本酒や焼酎、洋食にはワインやシャンパンというように、料理によってたしなむお酒を変えますよね。料理に使うお酒も同様です。穀物がベースとなる日本酒は、和の素材にとてもなじみますし、イタリアンやフレンチはワインベースの料理が主流です。
 ただ、その役割はほぼ同じで、肉や魚など臭みのあるものはそれを取るために、また素材を柔らかくするために振りかけます。「酒蒸し」「ワイン煮」など、お酒の味を活かす調理法もありますが、料理に深みを出す隠し味として用いるほうが多いのではないのでしょうか。

アミノ酸含有量に注目

 料理の場合は、用途によってお酒を使い分けるのがポイントです。うま味成分のアミノ酸がたっぷり入っているお酒は、ひとたらしするだけで料理にコクが出るため、仕上げの香りづけなどに使います。うま味成分が少ない安い清酒などは、臭みを取るために振りかけ、アミノ酸を含まない焼酎は、素材を柔らかくするのに活用します。もちろん、市販の料理酒などですべてをまかなうこともできますが、料理酒にはうまみ成分が凝縮されているので、下ごしらえなどで一度にたくさん使ってしまうよりも、ポイントで用いた方が経済的ですね。
 また、なかには塩分が含まれた料理酒もあるので、原料などをしっかり確認してから使うようにしましょう。



秋の香り漂うおつまみ風前菜
きのことささみのサラダ

■材料(4人分)
しいたけ……4枚
エリンギ……2本
鶏ささみ……4本
長いも……150g
下ごしらえ用酒……大さじ3

【調味料】
酒……大さじ4
(※料理酒使用の場合は大さじ2)
醤油……大さじ1
酢……小さじ2
サラダ油……大さじ1
わさび……適量


(1人分/142kcl)

●作り方
1. しいたけと縦3等分にしたエリンギ、筋をとったっさみにさっと酒をまぶす。
2. (1)を軽く色がつく程度に焼き、ささみは削ぎ切りに、きのこ類は食べやすい大きさに切る。
3. 長いもは皮をむき、短冊切りにする。
4. 鍋に酒を入れ、半量になるまで煮詰める(料理酒を使う場合は、煮きり酒にせず、そのまま使用)。
5. ボウルに醤油、酢、わさび、サラダ油と(4)を入れて混ぜ合わせる。
6. (2)と(3)を大きめの器に入れ、(5)をかけてざっくり混ぜる。