浜内千波の料理おさらい帳
おいしいごはん 基本のひとさじ 

[其の二] 醤油

醤油は、和食の基本調味料です。
難しいといわれる煮物も醤油の使い方をしっかりマスターすれば、
きっともっとおいしくなるはず。
知っている人も、もう一度おさらいしてみましょう。

浜内千波 はまうち・ちなみ
徳島県生まれ。大阪成蹊女子短期大学栄養課卒業後、OLを経て岡松料理研究所へ入所。90kgあった体重をヘルシーな食事で落とした経験があり、健康的なダイエットのエキスパート。「とにかく楽しく、料理をいろんな視点で考える」ことをモットーに活動している。

醤油はうまみ成分の宝庫

 
日本人の食生活に欠かせない醤油は、さまざまな素材のつけダレや料理に使われ、味噌と同様に広く親しまれている調味料です。肉じゃがや煮付けなどの家庭料理を「おふくろの味」と表現することもあるように、人は生まれ育った土地の醤油が一番おいしいと感じるそうですが、皆さんはいかがでしょうか。
 素材にひとたらしするだけで風味が広がる醤油は、うま味成分であるアミノ酸がたっぷり含まれています。濃縮したうま味成分に着目した外国人シェフが自らの料理の隠し味に取り入れるなど、醤油はいまや欧風料理にも活躍する調味料となっているのです。

醤油の特徴で使い分け

 味を壊さずに深みを出すためには、醤油の種類や分量をきちんと決めることが大切です。難しいといわれる煮物も、じっくり煮込む含ませ煮、あるいは煮浸し、いりつけなど料理によって調味料の配分が変わっていきます。(下記参照)

醤油 基本の  醤油:みりん:だし = 1:1×(料理にあわせただしの量)

 煮物の基本は醤油とみりんを「1:1」と同量にし、だしの量「×」で全体の濃さを調える。だしが多くなれば汁ごといただくようなおでんやさっと煮など、逆に少なければ佃煮といった料理に適した配合になる。

ワンステップUP!
 醤油は
塩味、みりんは甘味、そしてだしは濃さを調節する要素があります。塩気や甘さを加えたい場合は、この法則をベースに醤油や塩、またみりんや砂糖で微調整しながら好みの味に仕上げるとよいでしょう。例えば甘めの肉じゃがが好きな方は、醤油・みりん・だしを1:1:6であわせたところに、砂糖をほんの少量足してみるなど、ご自身の味を見つけてみてください。


特選丸大醤油 …… 従来は大豆や小麦でつくる醤油ですが、これは良質の丸大豆のみを100%使用。
再仕込み醤油 …… 麹を仕込むべきところに生醤油を使うため、普通の醤油の2倍の濃度とうま味が凝縮。
白醤油 …… 大豆をほとんど使わず、主に小麦を短時間で発行させるためうま味は少ないが、香りや甘みが強い。
たまり醤油 …… 大豆のみでつくられるため、色が濃く濃厚な味わい。加熱するときれいな艶や赤みが出るため、仕上げに使ったり照り焼きや蒲焼きなどに入れるとよい。



 醤油は加熱すると香りが飛びます。煮物の際は、“煮込む前や途中”“火を止める前の仕上げ”と分量を2度に分けて加えるのがポイントです。また、調理中はつい鍋のうえから容器に入ったままの醤油を注ぎ入れてしまいがちですが、火の側では醤油の香りを損なう原因になります。面倒でも必要な分だけ器にとり、残りは出来るだけ温まらないうちに冷蔵庫などで保存するなど、保存方法にも気を配るようにしましょう。



トマトで味にまろみをもたせ、うま味成分が結集した
肉じゃが

■材料
じゃがいも……600g
牛肉……2
00g
にんじん……2/3本
玉ねぎ……1個
トマト……1個
水……1.5カップ
サラダ油……適量

【調味料】
醤油……大さじ3
みりん……大さじ3
砂糖……大さじ1
だし……3カップ

●作り方
1. 牛肉は熱湯でさっと洗ってからざく切りにする。
2. じゃがいも、にんじん、玉ねぎは一口大に切る。
3. 鍋にサラダ油をひいて、じゃがいも、にんじん、玉ねぎの順に炒める。
4. 水を加えてひと煮立ちしたらあくを取り、(1)を入れて調味料と混ぜる。
  このとき、醤油は半分だけ加えるようにする。
5. 皮と種を取ったトマトを入れ、蓋をして中火で煮込む。
6. 全体に火が通ったら蓋を開け、さらに煮込んでいく。
  煮詰まってきたところで(4)の残りの醤油を加え、汁気がなくなるまで煮詰める。