浜内千波の料理おさらい帳
おいしいごはん 基本のひとさじ 

[其の四]

疲労回復に効くクエン酸や体の調子を整える
多種類のアミノ酸などが豊富に含まれる「酢」。
今回は、美容や健康促進のために、これからの
季節は特に取り入れたいお酢の使い方を紹介します。

浜内千波 はまうち・ちなみ
徳島県生まれ。大阪成蹊女子短期大学栄養課卒業後、OLを経て岡松料理研究所へ入所。90kgあった体重をヘルシーな食事で落とした経験があり、健康的なダイエットのエキスパート。「とにかく楽しく、料理をいろんな視点で考える」ことをモットーに活動している。

栄養を引き出すお酢

 ここ数年、女性を中心に広がるお酢ブーム。美容や健康のためにお酢を愛飲している人も多いのではないでしょうか。
 お酢が苦手な人も、食欲がなくなったり貧血気味になったりと、スタミナ切れになりやすいときは、料理に一品加えていただきたいもの。素材の栄養分を引き出しやすくする効果があるお酢は、ビタミンCや鉄分、カルシウムなどの吸収がいいので体の抵抗力を高め、疲労回復や美肌づくりなどを促進、減塩効果もある“体にいい”調味料なのです。

お酢は素材と調理法で選ぶ

 お酢は、原料によって酸味も風味も異なります。穀物酢は、酸味の程度が低く口にしやすいですし、果物からつくられる果実酢は酸味が最も強いですが、口当たりがすっきりとさわやかなので、ソーダなどで割ったりデザートにかけたりと比較的取り入れやすいお酢です。
 ほどよい酸味が感じられるお酢としては、米酢や玄米酢などがあります。イタリア料理と相性のいいバルサミコ酢や健康ドリンクでおなじみの黒酢も酸味としては中間程度です。そのほか、ワインビネガーやコーンビネガーなど国や地域によってさまざまな種類のお酢があります。
 素材や調理法に合わせてお酢を選び、料理のレパートリーを増やしてみてはいかがでしょう。

醤油 基本の  合わせ酢のつくり方
お酢に醤油などを加えてつくる合わせ酢は、酢の物や和えものに不可欠。“浜内流”基本の配合をおさえればポン酢や土佐酢などの応用も簡単です。



材料を混ぜ合わせ、ひと煮立ちさせてから冷ます。


ワンステップUP!
 二杯酢は、海藻や魚介に合うさっぱりとした味で、三杯酢はみりんが加わるため少し甘味があります。醤油の色が気になる場合は、塩で調味するといいでしょう。甘酢は、野菜の酢のものや酢漬けによく使います。合わせ酢は冷蔵庫などで保存すれば1カ月程度は持つので、つくり置きしておくと便利です。三杯酢に削り節を加えて土佐酢にしたり、甘酢に大根おろしでみぞれ酢をつくったり、好みの食材を加えてバリエーションを広げましょう。


夏を乗り切るスタミナおかず
さっぱりお酢炒め

■材料(4人分)
にんじん……1本
パプリカ(赤、黄色)……各1個
セロリ……1本
玉ねぎ……1個
サラダ油……大さじ1


【調味料】
酢……1/2カップ
塩……適量
砂糖……大さじ2
ベイリーフ……1枚
黒こしょう……適量

(1人分112kcal

●作り方
1. にんじん、パプリカ、セロリ、玉ねぎをひと口大に切る。
2. 鍋にサラダ油をひいて、(1)を炒める。(固い順に鍋に入れる)
3. 調味料を加えてベイリーフを入れたら鍋に蓋をし、中火から弱火にして蒸し煮にする。
4. 全体に火が通ったら、蓋を開けて水分がなくなるまで煮つめる。

※十分冷ましてから食卓へ。時間が経つほど酸味が飛んでうま味が増します。



酸味を和らげ色を保つ“煮きり酢”

体の調子を整えるのにひと役買ってくれるお酢ですが、苦手な方ほど毎日とり続けるのも大変ですよね。そういう方はぜひ、「煮きり酢」で酢のものをつくってみてください。まず、鍋にお酢を入れて半量くらいになるまで煮つめます。十分冷ましてから、きゅうりを薄切りにして塩を少々ふり、しんなりしたら水気を絞って漬けるだけ。お酢は煮ると酸味がまろやかになりますし、食材も退色しません。漬け込んだきゅうりの色は1日たっても鮮やかなままなので、見た目も美しく仕上がりますよ。