浜内千波の料理おさらい帳
おいしいごはん 基本のひとさじ 

[其の六] みりん

主張しすぎない、ほのかな甘味を出すのに最適なみりんは、
和食の味づくりに欠かせない調味料の一つです。
今回は、いつもの料理にほんの少し加えるだけで、
まろみや風味がアップするみりんの賢い使い方を紹介します。

浜内千波 はまうち・ちなみ
徳島県生まれ。大阪成蹊女子短期大学栄養課卒業後、OLを経て岡松料理研究所へ入所。90kgあった体重をヘルシーな食事で落とした経験があり、健康的なダイエットのエキスパート。「とにかく楽しく、料理をいろんな視点で考える」ことをモットーに活動している。

伝統的な和の味

 おでん、肉じゃが、好きですか?私たちになじみのある和食を代表する料理ですね。これらは、醤油、だし、そしてみりんをベースに味付けをします。照り焼きや佃煮なども同じです。ガツンと強い甘味を与える砂糖に比べ、まろやかな甘さをもたらすみりんは、隠し味として重宝します。みりんにはうま味成分のアミノ酸がたっぷり含まれているため、素材と融合して味に深みを出します。風味を活かす和食には最適な調味料なのです。

本みりんの活用法

 和食の料理人にとっては欠かせないみりんですが、ご家庭では“みりん風調味料”を使われている方が多いかもしれません。そもそもみりんは、アルコール度数が高いお酒。みりん風調味料に含まれるアルコール1%に対し、本みりんは14%ですから、そのままどぼどぼ入れてしまうと酔ってしまいますし、においも気になりますね。調味料として使う際は、火でアルコール分をとばした“煮きりみりん”を入れると臭みのない、いいお味に仕上がりますので、ぜひ試してみてください。
 また、手づくりのみりんはワインのように口当たりがよく、煮きる手間をかけなくてもアルコール臭は気にならないので、そのまま使用できるものも多いのです。産地直送や地域限定のみりんもありますので、いろいろ試してみてはいかがでしょうか。

醤油 基本の  煮きりみりんのつくり方
アルコール度数が高いみりんを調味料として使うときは、煮きりみりんにして活用しましょう。

1. 水気のない鍋を準備し、必要量のみりんを入れたら弱火にかけて、ひと煮立ちさせる
2.沸騰したところでバーナーなどでみりんに火を入れてアルコール分をとばす
3.火が消えたところで完成  


※直接火を入れない場合は、分量の半量程度になるまで煮つめればOK!

アルコール分をとばした煮きりみりんは、10日〜2週間程度の保存が可能です。酢のものや天つゆ、そうめんのつゆなどさまざまなメニューに使えて便利ですよ。

ワンステップUP!
味噌汁や豆乳汁にほんの少しみりんを加えると、まろやかさが増してうま味がアップします。茶碗蒸しに入れると、より上品な味わいに。お米にひとたらしすれば、ふっくら炊きあがります。ドレッシングに少し混ぜ合わせると深みがでますし、隠し味としても、いろいろ活用してみてください。


夏野菜たっぷりの涼風麺
ひんやり盛りだくさんそうめん

■材料(4人分)
そうめん……8束
きゅうり……1本
トマト……1個
ナス……2個
かぼちゃ……150g
えび……6尾
生姜……1片
サラダ油……適量
(ナスとかぼちゃ炒め揚げ)

【調味料】
みりん……1/2カップ
醤油……1/2カップ
だし……2カップ

(1人分274kcal

●作り方
1. みりんを鍋に入れてひと煮立ちさせ、半量まで煮つめる。
2. (1)に醤油、だしを入れてひと煮立ちさせて冷ます。
3. ナスとカボチャを1cm程度に角切りし、少し多めの油で炒め揚げする。
4. きゅうり、トマトは1cm角に切る。
5. 茹でたえびを一口大にカットする。
6. 湯を沸かしてそうめんを茹でたら、冷水でしめて水気をしっかり切る。
7. そうめんと具を器に盛りつけて(2)をかけ、すりおろした生姜を添える。


みりんはデリケートな味の立役者

うま味成分を含み、デリケートな甘味を演出するみりんは私たち日本人の口にとてもなじむものですが、家庭で使おうと思うと、値が少々はったり、扱いに気を配ったりと大変な面もありますうね。みりんの代わりにお酒と砂糖で調整することもあるかとは思いますが、繊細な和食の味を表現するには、やはりみりんです。本みりんはお酒と変わらないので、冷蔵庫に入れなくても冷暗所で保管すれば大丈夫です。今日から台所に1本、みりんを置いてみませんか。