心に響く曲

文/橋本貴美子
フラワーアレンジメント/芳谷里佳

 毎朝夕、保育園の送迎時に車内でラジオを聴くことがあります。
 先日も何気なくつけたFM局からサザンオールスターズのとても懐かしい曲が流れてきました。彼らは私がちょうど中学1年生のときにデビューし、彼らの出すアルバムには私の青春が重ねられ、曲を聴いた途端にタイムスリップしたかのように、そのころの思い出が鮮明によみがえります。
 皆さんは音楽をどのように楽しまれているのでしょう?
 音楽によって思い出のタイムスリップを楽しむのも一つですが、私の場合は、嫌いな掃除を楽しくするツールにもなっているのです。
 毎週末、主人と娘を散歩に出してから、元気の出るアーティストを選び、踊りも楽しみながら掃除機と奮闘しています。
 最近では掃除後のゆったり感をより引き出すために、ハワイアンやボサノヴァといったような曲を楽しむこともあります。
 音楽は、ときに我々の感情を左右します。これは映画音楽を例にとると分かりやすいのではないでしょうか?ドラマや映画などは、音楽なしで見ると意外にそっけないもの。その場面に、より感情移入できるツールとして音楽が使用されているのです。
 私はとても心動かされた映画のサントラ盤はDVDと併せ必ず買うことにしています。
 DVDやビデオは買ってもサントラ盤まで購入する人は少ないのかもしれませんが、自分が好きになった映画の音楽は映像抜きでそれだけを聴いてもとても心地よいものです。
 私の母など、自分の葬儀には夜通し「サウンド・オブ・ミュージック」のサントラ盤を聞かせて欲しい、といまから言い出す始末です。実際、高校時代の恩師はジャズとお酒をこよなく愛し、葬儀には彼の好きなジャズを遺言に従い流していました。
 音楽の楽しみ方はさまざまですが、テレビやラジオといった与えられる音だけではなく、自分から求めて自分なりの音楽を、楽しんではいかがでしょうか?
 自分を元気づける音楽を持ち合わせれば、ときにはどんな薬よりも心に効くかもしれませんね。

 

今月のアレンジメント

花材
ダリア、マリーゴールド、バラ(ルナロッサ)、チョコレートコスモス、ドライオレンジ、ドライザクロ、アート・リンゴ、アート・ブドウ

ポイント
今月のアレンジメントは秋の夜長をイメージしたもの。ゆったりと流れる時間のなかで、自分の好きな飲み物と音楽を楽しめたらとても素敵なことではないでしょうか。今回使用している花材は、秋を意識したものでカラーのトーンも落ち着いた色で統一してあります。お客様をおもてなしする際のアレンジメントの参考にもなりますので、花だけでなくフルーツなどでも試してみてください。

 
橋本貴美子
エッセイスト。毎日放送勤務の傍ら、料理やフラワーアレンジメントに関するエッセイを執筆中。昨年度『りぶる』で紹介した遊学中のメンフィスでの思い出とミートロールのレシピが好評。今月からスタートする本コーナーでは毎月、花をテーマにしたエッセイを連載。

芳谷里佳
フラワーコーディネーター。フランス・ピヴェルディ校にて、フラワーアーティストの研修に参加。その後オランダ、ドイツのフローリストに師事。現在はウェディング、パーティー、レストラン装花、空間装飾を手掛ける。ヨーロピアンアレンジメント教室も開設。

撮影・インプレス 鈴木雅之