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「力ずくで民主的な政権はできない」
イラクの大量破壊兵器の保有・拡散は国際社会の懸念だが、問題はどうやってそれを払拭するかだ。 米国は時間はないと、急いで結論を出そうとしているが、査察は完全に終っていない。国連安保理も査察をしっかりやれというのが主だ。もう少し査察に時間をかけるべきだ。
武力攻撃には慎重であるべきだ。米国はイラクの政権を認めず、つぶすことが目的だといって攻撃となれば、報復テロが起こる可能性もある。アラブ、イスラム諸国の反発もあるだろう。仏独なども反対している。力で倒して民主的な政権をつくろうとしても難しい。国際的な不安定要素などを相当慎重に検討、議論し、国際社会の同意を得て決断すべきだ。
イラクを攻撃すれば、無辜の民に相当な死者が出る。米国の若者も死ぬかもしれない。何の目的か、戦後にどのような絵を描くのか。ブッシュ大統領はもっと深刻に悩み抜くべきだ。
日本人が戦争を簡単にみているようではいけない。戦争がどんなに多くの被害を出すか、考えないといけない。五十数年前、日本国民が受けた大変悲惨な状況を我々は少し忘れかけている。戦いがいかに悲惨で、立ち直るのにどれだけの苦労と努力が必要だったか。戦争は絶対にやるべきではない、という強い主張があっていい。
日本はイラクにも米国にも、平和的解決の説得に全力を挙げるべきだ。それができず、国際社会の合意で武力攻撃が始まれば、やむを得ないこととして理解するとなるかもしれない。積極的に支持するわけにはいかない。
平成15年2月8日付毎日新聞朝刊より
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