河野会長が基調講演
景気・社会保障・外交を重視


 大勇会夏季研修会が8月29日、東京プリンスホテルで開かれました。自民党は先の参院選に大勝し、小泉内閣は依然として七割前後の高い支持率を維持していますが、河野洋平会長は基調講演で「小泉さんは構造改革なくして景気回復なしと発言し続けているが、マクロ政策を間違えれば景気回復もあり得ない」と指摘し、「失業率が史上最悪の五%を記録し、株価が一万千円台を割ってさらに深刻な事態も予想されるのに呪文だけではすまされない」と与党幹部としては初めて小泉内閣の雇用や景気対策など経済政策に危惧の念を表明しました。




 基調講演をする河野会長 (東京プリンスホテルで)

 また河野会長は「聖域なき構造改革といっても、単に超高齢化社会を迎えて社会保障費を切り捨てるのではなく、財源をどうシフトするかなどを考える必要がある」と述べ、外交問題についても「日米関係をはじめ近隣諸国との関係を充分に理解し、イスラム諸国との文明の対話に積極的な努力がなされたか疑問がある。小泉さんは、日本外交にとって重要なことは国際社会から孤立してはならないことだと発言しているのに、逆に孤立に向かって進んでいないかと心配だ」と指摘しました。
 さらに、河野会長は敢えて外務省の機密費の削減問題を取り上げ、使途を「オープンにすることは重要だが、一方で軍備なし、核なし、基軸通貨を握っているわけではない日本が国際社会の中で生きて行くためには機密性の高い正確な情報を効果的に収集することを軽んじてはならない。批判を受けたからと言って簡単に削減するという訳にはいかない。むしろ充分な情報収集をしっかり行うための点検をやる必要がある」と述べました。
 ODA予算削減についても「日本の経済状況は厳しいものの、地球上に住む一割以上の人が飢餓状況にあることもきっちり認識するべきだ。周辺の平和、安全・安心のためにも外交があることをかみしめなければならない」と結びました。
 この後、野村総研上席エコノミスト、植草一秀氏が「日本経済の現状と展望」と題して、バブル崩壊から失われた10年とされる間の図表などを示しながら、「適正な改革を進め、国民の意識改革が行われるならば2004年ごろから日本経済は本格的に浮上する」と解説しました。医事評論家の水野肇氏は「日本の医療問題を考える」テーマで、介護保険や薬価基準、医師会や薬剤師会の主張など今後の医療政策策定にとって重要な秘話などを紹介しました。
 後藤田正晴元副総理の講演「最近の政治に思うこと」は小泉内閣の評価や参院選における無党派層の投票行動の分析、さらに明治維新と小泉内閣の改革を比較して行った解説は「かみそり健在」を聴講者全員に印象づけました。