わら細工のぬくもり  開成町 遠藤清造(73歳)
 会社勤め(富士フイルム)をしていたころ、50の手習いで始めたのがわら細工です。町の農業委員もしており、農協の大先輩が大きな俵を作るのを見て「おれでも定年後の趣味としてやれる」と直感して始めました。ある時、生け花の先生に頼まれてお飾り用の小さな俵を作ったら「風情がある」と大変喜ばれました。『ミニ俵』が私の得意技になったのはこんなきっかけでした。作品は全部あげてしまうので、手元に気に入った物は残っていませんが、飲み屋に飾られている俵と会うのも楽しいものです。
 人に教わるのが嫌いな性格で、見よう見まねの独学で覚えました。干支も付けたお正月の「しめ飾り」も創作です。10年ぐらい前から、自治会や農協の婦人部に手ほどきし、12月中旬以降の土、日曜日や夜になると掛け持ちで講習会に呼ばれます。ある自治会では80人も集まりますが、わらやひもなどの材料は全部私が調達します。地元の子供会や寄(やどろぎ)のキャンプ場に来る少年たちにも教えています。
 完成した作品に見とれている人の笑顔を見る時が一番うれしいですね。わらが持つぬくもりを感じ合えるからだと思います。今年の夏、若い住職さんが暴走族に殺されましたが、心のぬくもりさえあればあんな事件は起きるはずがないと思いました。
 河野先生には、外務大臣としていっぱい働いていただきましたが、これからは子や孫たちに引き継げる「郷土の素晴らしさ」も教えてあげて欲しいですね。(談)