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景気回復か失速かの分岐点
大勇会で植草氏が警告
大勇会(河野洋平会長)は数カ月に一度、エコノミストの植草一秀氏(野村総研)を招いて経済情勢の分析を聞いていますが、河野会長も出席した4月4日の会合で同氏は「3月危機を乗り切り景気は回復基調という楽観論が流されているが、過去の例から今こそ政府が『景気優先』のメッセージをはっきり出さなければ日本経済は立ち直らない」と強い警告を発しました。
【講演要旨】2月6日に日経平均で9,420円まで下がった株が、3月11日には10,919円まで回復した。これは株のカラ売り規制と公的資金の買い出動とともに市場に小泉政権の「政策転換期待」が生じたからだ。
過去の株価の動きを振り返ると(1)橋本内閣の平成9年前半(2)小渕内閣の平成10年後半の2回が、株価が描く折れ線グラフの形が今回とほぼ同じだ。橋本内閣は緊縮財政を優先し、株価の再急落と恐慌一歩手前と言われた状況を招き、小渕内閣は「景気回復優先」に180度転換したことを印象づけて経済回復に成功した。
今後を予測すると、もし現状のようなはっきりしない政策スタンスを続ければ膠着状態が続くが、「景気重視」に明確に転換すれば株価は5,000円から8,000円上昇し、その結果、財政再建や不良債権処理も進めることができると考える。
現在の「財務省路線」は財政緊縮と超・超金融緩和の組み合わせで、短期的には円安を通じた輸出主導の景気回復にもつながるが、長期的には本格的なインフレを招き預金者(国民)に負担をしわ寄せする。最悪の場合はインフレが起こる前に円安・株価下落・長期金利上昇の「トリプル安」「日本売り」を招きかねない。
とるべき「内需支持路線」は財政中立化(緊縮をやめる)と超金融緩和の維持で、株高・円高・長期金利強含みを通じ内需主導の景気回復を目指すものだ。
路線としては(1)小泉内閣がとっている「財政緊縮」「構造改革」の組み合わせ=水清けれど魚住まずの新井白石路線、(2)抵抗勢力と言われる「積極財政」「利権指向」の組み合わせ=田沼意次路線の二者択一ではなく、(3)「景気重視」「改革推進」の組み合わせという第3の道を打ち出して歩むべきだ。
米政権はテロ事件後に「不況を起こさない」と強い決意を表明することで、ほとんど財政支出をすることなく景気後退を阻止した。政府は「3年不景気が続く」などと言って不況を作り出すのではなく、「景気回復に全力を尽くす」と言わなければならない。これは精神論ではなく「政策スタンス」の問題だ。
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