
| 家族の説得で手術を決意=河野 元気なご復帰を祈ります=岩見 |
![]() 岩見 外相としての激職を続けられて体調を崩され、入院中と伺っていましたところ、今度は太郎代議士 からの生体肝移植の報道があり、びっくりしました。選挙区の皆さんも心配しておられるでしょうから、まずは近況を教えてください。 河野 突然の報道で驚かせてしまったことを申し訳なく思っています。しかし、今はご覧の通り元気です。病院での治療計画が順調に進み、体調が整い体力もついてきました。それを見て3人の子供がそろって移植を受けろと言ってきたのです。私は60歳を過ぎて子供から内臓の提供を受けてまでやる気はないと断ったのですが、子供たちに2度、3度と説得されて皆の言うことを聞くことにし、太郎の検査が終わり次第、生体肝移植をやることにしました。本来臓器の移植というものは、赤ちゃんなどが先天的に弱いときなどに行われており、60歳を過ぎてからのケースは多くないそうですが、病院側もしっかりやるからと協力的です。親子だから移植しても拒絶反応は出ないだろうし、何百人もいる脳死待ちの人たちから見れば、身内からの申し出はありがたいことで、早く欲しいと思っている人たちのことを思うと申し訳ない気持ちすらあります。今のところ4月中に手術をし、2、3ヶ月で退院できるそうです。 岩見 河野先生も太郎さんもよくご決断されたと感動しました。 河野 二人とも真剣に時間をかけて考えましたし、太郎をはじめ子供たちの気持は本当に貴いし、実際に重大なことなのでしっかり考えました。 岩見 早めに手術を受けて成功され、元気に復帰されることを祈っております。 河野 手術の問題はお医者さんに任せ、3カ月お休みをいただいてちゃんとした身体で戻ってきますよ。 岩見 一方で何かと政界のこともご心配でしょう。新年度ですので新たな決意を聞かせてとはいかない政治情勢です。それにしても最近気になるのは、亀井静香さんが「もう日本は駄目だ」などとテレビに出て言いましたし、田中真紀子という人も「自民党は終わりだ」などと発言しました。政界のリーダーというか、きちんと言わなければならない人たちがこの国の将来も政党の展望はないなどと投げやりな発言することに対し、聞く側の国民はやりきれないですよね。 河野 以前の自民党の場合、何か危機的状況になると必ず誰かが出てきて、たとえば挙党体制だとか一致団結しようなどと、言葉は古めかしいけれどもともかくスクラムを組むことによって、それを力にして進んだものでした。それが昨年あたりから小泉さんという人は割合、皆と一緒に何かをするという人ではなく、反対するなら自民党をぶっ壊すと言うなど単独行です。それが面白いと初めは田中さんと一緒になったものの、ケンカになったら2人は別々のほうに歩き出したため、党員はどうしてよいか分からずばらばらになっているのです。 党の求心力の回復が急務だ さらに加藤議員の問題やらリーダー格の不祥事が次から次へと噴出し、自民党と言う政党が一つの集団 として力を発揮し、国を動かして行く力がなくなっていく状況になっています。国民の目から見ると自民党が挙党体制だ、一致協力だと言っても遠心力ばかりが働いてバラバラで政治も行政も政策も何一つ進ま ないと感じているでしょう。 虫歯を抜きあとの歯で 虫歯はしょうがないから抜くが、抜いた後の歯で噛かくスキャンダルが次々に露見し、それも内部告発だとかリークだと言われるなど愉快な社会ではないですよね。本来そういうものは早く司法の手に委ね、政界は新しい時代にふさわしい政治や経済の政策を作り、それに向かって党が固まっていかなければなら ないと思います。 岩見 仰るように求心力と言うか、かつての自民党には複数の引き締め役がいました。本来ならばそれは総理・総裁がやるべきでしょう。しかし小泉さんは飛び跳ねている人ですが、このところ元気がなくなったし、とにかく束ねて行くタイプではないですね。 河野 確かに束ねる人がいなくなりました。 岩見 幹事長以下党の役員も元気がなく、日本の将来は午前10時半だと楽観的だった加藤さんも失脚すなど、いってみれば歯を抜いた後の残った歯がなかなか噛み合わないといったところですかね。 河野 総理大臣経験者が数人いるわけですから、こう言うときに何か言ったりやったりして欲しいですね。 岩見 中曽根さんが小泉批評の原稿を書いているぐらいでパワーになり得ない。橋本さん、森さんもまだ全体のために動くという状況にならないですね。 河野 総理大臣を辞めたら派閥を率いるのではなく、党全体の立場に立ってまとめるべきですし、橋本さ んもこの際は自分を殺して大所高所から発言すべきでしょう。また、党3役を始めとする執行部も色々な思惑があってまとまって引っ張る力がありません。 岩見 まあ、そう言う意味では田中真紀子という人は、自民党は終わりだとズバッというと、なんか良い 所を突いてるなと感じますし、終わりとは思わないながらもそう見えてきますからね。ここで何とかしないと大変なことになりますね。 河野 よく考えてみると自民党だけでなくて社民党も大変のようです。民主党だけが違うとは思えないですから深刻に考えないといけないですね。 岩見 佐藤長期政権時代の柘世会のことを思い出すんですよ。昭和42年当選組の河野先生たち若手は元気があったし迫力がありましたが、最近の若手はおとなしくてその中からリーダーも出てこないので、官僚の出来損ないみたいのが多い。 河野 テレビで理屈ばかり言ってるだけで骨太なのがいないですね。 岩見 こうなると河野先生に早く手術を終えられて声を上げていただかないと、この調子では日本がおかしなことになってしまいますね。 河野 政策的にも有事立法だ、憲法改正だ、教育基本法までも変える方向にいっています。辻元だ、加藤だ、鈴木だとワイドショーがワアーワアーとやっていますが、そんな蔭で重要なことがあることを認識して議論をしないといけない時です。 行儀が悪すぎる一部政治家たち 岩見 本筋で議論をすべきなのに、小泉さんはどうも深くモノを考えていないようで、外交や防衛問題に ついても非常に直線的に考えてズーッといきそうで怖いですね。制度改革もさることながらマキコ、ツジモト、ムネオ、カトウら各氏を見ていると一連の利権政治とかモラルというのではなく、人間的に行儀が悪いですよ。以前も柄の悪い政治家はいましたが、それでも政界の人はもう少し社会常識があったし、行儀作法もありました。 河野 程度と言うか限度がありませんね。 岩見 この4人はみんなそうですね。政治が乱れるとか政治不信といいますが、最近の状況はこれまでと内容が違います。最初に言っていたのと違って小泉さんがなにをやろうとしているのか最近では見えてこないし、ブッシュ米大統領の悪の枢軸論のほか、パレスチナに侵攻したイスラエルのシャロン首相の姿勢も深刻です。シャロン・ブッシュ路線に小泉さんは悩むことなく賛意を示しています。まあ、ヨーロッパ各国は独自の姿勢を示していますが、不安材料は多いですね。 河野 川口外務大臣によると、小泉さんとブッシュさんは政策ではなく、お互いに短い言葉で理解し合う 仲だというのです。二人が人間的に手を握り合い、ズルズルと悪の枢軸路線に対し、イエスもノーも言わないままにイラク攻撃となった場合、ヨーロッパ各国がノーと言っているのに日本が言えないのではないかと心配です。日本としてはできるだけ早い機会に攻撃には賛成できないなら出来ないと態度を表明すべきだと思います。 岩見 先々週小泉さんと話した際、悪の枢軸論について聞いたところ、いやあ、あれで北朝鮮がぶるっていると言われたのには驚きました。外交経験がないからそれぐらいの感覚なのでしょうが、ブッシュさんに似ていますし、これでやられたらえらいことですね。 ところで、自民党は半世紀近い歴史を刻んでいますが、また活力を取り戻して再生できますか。いまの自民党は明らかに衰弱現象を起こしていますし、むしろもう一回思い切って再編成という大手術をするべきか、このままで立ち直っていけるのかお聞かせ下さい。 河野 このままでは難しいですね。再生のためには議員だけでなく、自民党の支持者が意識改革の上、組織を作る必要があるでしょう。一般の有権者と党員と議員が各々お互いに何をやるべきかをはっきりさせてゆかなければなりません。現状は相当に根が深いです。 岩見 昨年春、自民党員は小泉さんを総裁・総理に選び、横浜市民は政党の推薦も受けなかった中田宏さんを市長に選びましたが構図がよく似ています。当初は小泉さんが首相にふさわしいと思った人は少なかったようですが、過去を批判することにより事態がよくなると思った人はいるのでしょう。 河野 小泉さんは途中から錯覚しましたね。 岩見 小泉さんもここまできてしまうと、もう一回人気を回復するとか政策の切り替えをするとか言う感じはないでしょうか。 河野 ただ自民党の中には無責任に批判しても小泉さんの後継者が見つからないから、しばらくは小泉さんでつないでいくと言う気分はあるでしょう。 岩見 まだ誰も後継者が出てきませんね。 河野 益々混沌としてきましたね。さらに国会は会期を大幅に延長してお盆までやるという説もあります。有事立法や国民投票制度まであれもこれも片付けるためには、ツジモト、ムネオ問題で大分時間をつぶしましたし、相当長く延長が必要な訳ですが、野党側の反応はひ弱です。 岩見 あれこれ心配してもきりがないし、しばしは浮世のことをお忘れになって療養していただき、秋には元気に復帰していただくことを心から祈っております。 (4月1日対談) |
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