
| 今春の通常国会は大荒れだった▼予算委員会では鈴木宗男氏、辻元清美氏、加藤紘一氏ら、いろいろな意味で著名な議員の問題が次々と明るみに出た。この結果、国民の政治への関心は一段と高まった。お茶の間でも、赤提灯でも政治談義は高まり、一億総評論家の感もあった▼政界の不正が明らかになり、去るべき者が去って浄化されるのは実に結構なことである▼しかし、一時の怒りは別として、改めて考えて見よう。景気回復にとって重要な14年度予算案は、今国会で、果たして十分に審議されただろうか▼毎年、予算委員会の季節になると疑問に感じることがある。中心になる予算委は、確かにその時々の重要な懸案を扱ってはいる。だが予算案そのものに正面から取り組んできたとは思えない。時には予算案とは全く関係のなさそうなことに随分時間とエネルギーをかけているように見える▼今年の予算委は、例のサワギに明け暮れたため、特にそう感じた。テレビや新聞も、ほとんどその報道、論評に追われた。不正を究明するのはもちろん大事だが、長期的に見た場合、もっと重要なことが多いのではないか。 | ▼たとえば少子・高齢化の問題。教育の問題。さらにはエネルギーと環境の問題などだ。いずれも遙か先の夢物語ではない。それどころか、10年か15年くらいの、つい目先までに迫ってきた緊急の懸案なのだ▼少子・高齢化は、言われて既に久しい。だが確固たる未来図が描かれた、という話は未だ聞いたことがない▼「今の日本を立て直すには教育の根本的な改革が緊急の要件だ」との意見は盛んだ。しかし、今の政党で、教育改革を最優先課題として本格的に取り組んでいるところがあるだろうか▼10年後の日本のエネルギー源の中心は原子力か、石油か、それとも新しいエネルギー資源の開発か。それに伴う環境対策はどうするのか。残念ながら、殆ど決まっていないのではないか▼あえて繰り返す。不正を糺すのは、もちろん極めて重要だ。徹底的に進めて欲しい。しかし大きな流れも常に忘れないで欲しい▼前にもこの欄で述べたが、囲碁の要諦は「着眼大局、着手小局」という。政治を志す人たちはもちろん、国民の一人ひとりもその気持ちをしっかり持とう。 |