移植手術と情報公開  
 
 政治家の病気は政界への影響力低下を招くことになりかねず、その公表を控えることが珍しくありません。しかし今回の移植手術にあたり洋平代議士や太郎代議士は当初から事実を公表することに積極的な姿勢でした。
 もともと洋平、太郎両代議士ともに「情報公開」を推進する政治姿勢をもっていましたし、いいかげんな酷い噂を打ち消さなければならない事態が続いていた私たち事務所サイドは、一刻も早く世間(メディア)に対して真実を公にしたいという気分でした。
 しかし、医師団は当初手術の実名公表にはやや慎重な態度でした。読者のみなさんもお気づきかもしれませんが、今までの「臓器移植報道」は個人のプライバシー保護のため実名での公表は一切されていません。しかも術後の公表が通常で、かつて術前の公表はありませんでした。

 そこで医師団と事務所の間で何回かやり取りがあり、今回は患者もドナーも国会議員という公職にある身であることを勘案し、最終的に例外として実名公表を認めていただくことができました。
 その後は事務所として随時、記者団に洋平代議士の病状を説明し、手術直後の4月17日には記者会見で細かに報告を行いました。
 この河野親子の病気・手術の公開はメディアからも「病気の表面化が政治生命の危機に直結する永田町にあって、河野父子は手術経過の公表にも積極的」(4月17日付読売新聞夕刊)と評価を受けました。
 また「臓器移植」で実名が公になったのは結果的に河野親子が初めてということで、最近の医学界で洋平代議士は講師として引っ張りだこです。河野代議士の体験談が今後の臓器移植の進展に大いに役立つことを願っています。
(東京・甲賀一雄)