
| 経済・外交に停滞の小泉内閣=河野 |
![]() 岩見 神奈川県知事選挙は残念なことをしましたね。 河野 候補者決定の遅れがすべてでした。知事を支えてきた自民党としては、岡崎前知事の不出馬表明が出るまで動くことができませんでした。それから候補者探しを始めて年を越してしまいました。紆余曲折があって宝田良一さんの擁立は選挙直前となったため、誠に残念な結果となりました。 知事選の敗因は候補選びの遅れ 岩見 それにしても自民党にとっては反省材料の多い選挙でした。 ところで小泉政権が3年目に入りましたが、これまでの評価はいかがですか。 河野 経済、政治、外交とどうも停滞が目につきます。とくに経済面では株価が就任時の半分になっています。これだけ下がれば自分の政策が悪かったと思うはずですが、本人はあらゆる政策を駆使してやるといっているだけで、政策としての改善は見えません。 また、日米同盟としきりに言って、イラク戦争の米国勝利を自分が勝ったかのように言う一方で、中国と韓国との関係はすっきりせず、北朝鮮問題も膠着状態になっています。日朝問題はうまくやるかと思ったのですが、自分たちで扉を閉じました。外交は外相と官房長官や副長官と言うことがまちまちで、幹事長の外遊もよくわかりません。 EUとの関係ももう一つですし、イスラム圏の国からは不信を持たれています。アジアの新型肺炎についてもっと積極支援をすべきなのに。イラクに対しては最大限の援助を約束している割には、アジアに対するメッセージは通り一遍です。中国や香港の肺炎は危機的状況でしょう。 岩見 スピード感がありませんね。それにしても不況の原因はみんなが経済失政だと思っているのに、誰も声を上げませんね。政権運営にとって決定的な内閣の支持率が落ちないからでしょうか。 河野 景気は悪いのに所得が減らず、一方で物価も下落して今現在生活が出来ないわけではないからとも言われています。しかし失業率が上がり、残業も減って、取り巻く環境は不安で元気がありません。 岩見 いい話は一つもありませんね。政権交代の時期が近づいているのではないですか。 河野 一部に熱望している人もいて、政治的には不安定な状況です。 上滑りしている小泉スローガン 岩見 依然として小泉さんは基本路線を変えないと言っているようですが、ここらでブレーキをかけないといけないのに、その政策が見えてきません。 河野 小泉さんは構造改革について、官から民へとよく言いますが、実際に官ではないがいわゆる民ではなく、つまり官のほかに学とか色々あるのです。学者とか評論家とかで経済人にしてもサラリーマン社長で、自分で苦労して創業した人ではないのです。 岩見 そういえば民間から起用したと言っている閣僚も高級官僚上がりです。スローガンが上滑りして、2年も経てば国民も正体見たりのころあいだと思いますが、5割を超える支持率のある総理大臣を取り替えるわけにもいかないのでしょうか。 河野 支持率だけが高いわけで、内閣と党の関係はこれまでの政権末期のような雰囲気になってきました。 岩見 不思議なことです。ところで北朝鮮が核保有を口にし、「北の脅威」論が強くなっています。 河野 北は、イラクと違って北自身が核を持っていると主張していますが、自分の値を吊り上げよ うとしているかもしれません。三国協議の初日にこうやればこうなるとパッケージの提案をしたようですが、アメリカは聞き置いただけのようです。この協議では中国が相当な労力を使い、平和的な解決を図るため北を説得するなど大変努力したと思います。 岩見 アメリカも中国をせっついたようですね。 河野 中国は北の心理などをよく理解しています。きわめてプライドの高い精神構造をわからずにイラクと同じようにしたらどういうことになるか、われわれも韓国とともに心配しています。しかし、北の提案を見ると、平和的解決の道筋は作っていますが、途中は検証が出来ない上、何の保障もなければ駄目だと言うアメリカの言い分もわかります。しかし、日本が交渉に参加すれば、アメリカに対して「まあ、まあ」と抑える役割を果たしたり、中国に対しても「もっとやって」と後押しもできることです。拉致事件も、交渉に加わることで充分に説明もできます。いずれにせよ平和的解決が出来ない場合の犠牲は、余りにも大きくなることを心配しているのです。 岩見 平和的に解決が出来ればよいのですが、ブッシュ氏の意図はフセインと金正日は同じですか ら、フセインを抹殺したように追放してしまえと思っているのではないでしょうか。 河野 アメリカが気にいらないからやっつけるというのではいけません。 岩見 アメリカ帝国主義ですね。ブッシュ氏の理屈は単純だけに金総書記が、ブッシュ氏が今度は自分を狙っているとなれば、解決は難しいですね。 イラク戦争支持で 貸しは作ったが… 河野 小泉・ブッシュ両氏は大変仲がよく、小泉さんが言えば聞くかも知れないというほど、期待度は高いのです。イラク戦争でもいち早くアメリカ支持を表明して貸しを作った小泉さんは、言ったことを変えないと定評があって、北のことは平和的な話し合いでやると言って外務省は安心しています。 岩見 大量破壊兵器があるかどうかわからないイラクをあれだけ攻撃したアメリカが、核を持っ ているという北をほって置くのもちょっと理屈に合いませんね。 河野 イラクには石油の問題がありますが、北には何もありません。 岩見 小泉さんの言う平和的解決とは、金正日体制を温存することにつながりますし、ブッシュさんは飲みにくいでしょうね。 河野 小泉さんの北に対する姿勢については評価をしますが、周辺をもっとコントロールしなければいけません。話し合いだと首相が言うのに、一方で圧力をかけろと言うのはどういうことかわかりません。 岩見 ところで、北の問題が背景にあったのでしょうが、有事法制の与野党合意は評価できますか。 河野 私は評価します。例え不十分でも第一党、第二党が合意の上で作るべきだと思っていました。憲法改正に匹敵するような法制ですから、院の2/3以上の賛成が望ましいと思います。 岩見 今回は賛成が4/5になりました。 河野 与党も民主党の言い分をできるだけ取り入れたことは良かったと思います。 岩見 民主党も大人になったという印象を与えようとしていますね。さて9月に総裁選がありますが、どういう形が好ましいでしょうか。党内に小泉批判があるのですから誰か手を上げるべきだと思いますが…。 イラク戦争支持で 貸しは作ったが… 河野 国会議員の動きと一般世論には内閣の支持率に見るように乖離がありますね。従って議員だけでの党首交代は難しいでしょう。 岩見 2年前は小泉さんの圧倒的な勝利でしたが、今回は違うでしょう。 河野 総裁選の歴史を見ると、過去に同じルールでやったことは一度もありません。前回の予備選では県ごとの総取り方式でしたが、後になって比例配分にすべきだったと言う声も出ました。 岩見 年内の11月選挙説が多くなってきました。 河野 10月解散、11月総選挙説ですね。 岩見 今年の後半は大変なことになりそうですね。 (5月14日対談) |
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