
| 国民の関心に応える国会を=河野 |
![]() 岩見 衆議院議長就任おめでとうございます。今度の河野先生の議長就任は、政界も世間も「河野さんこそ最適任だ」というムードです。議長になられて生活環境は変わりました 河野 就任したばかりですが、特別国会は選挙後新議員で院の構成と首班指名の選挙をやることが主たる目的のため、衆参両院で予算委員会をそれぞれ一日やりました。あとは閉会中審査を各々の委員会で小泉総理が出席してしっかりとやることになります。 岩見 イラクへの自衛隊派遣の基本計画を閣議決定してからでしょうか。 痛ましかった外交官の悲劇 河野 そうなると思います。しかし今のイラクは毎日情勢が変化し、特に11月末の二人の外交官の悲劇は本当に痛ましいことでした。今度の閉会中審査はイラクも金融問題も担当の特別委員会でやるわけですから、予算委員会よりは集中した内容になる事を期待しています。 岩見 非常に重要な席にお座りになったのですが、新たな決意をお聞かせ下さい。 河野 与野党の力が接近していて論戦が激しくなるはずですが、意外に与野党の主張は似ていてわかりにくいこともあります。余り政変を目指した政局の動きばかりでなく、年金と景気と国民の関心事に答えを出すことを期待しています。 岩見 内外共にこういうご時世ですからハト派の河野議長に期待する声は大きいですね。社民党の土井たか子さんが委員長を辞めたり、世間一般が猛々しい雰囲気になっていますから、時に応じて発言されることは大事でしょうね。鯨岡さんは亡くなり、宮沢さんも引退され、世間も不安を感じています。ところでその後の体調はいかがですか。 河野 議長職は大変ですが、日程もあらかじめきちんと決まりますから体調も安定しそうです。 岩見 選挙区の皆さんもお喜びでしょうね。 河野 喜んでいて下さると思います。議長を受ける前に宮沢さんに意見を聞きに行ったところ、宮沢さんは最高のポストだし、ぜひ受けた方がいいと言われました。大勇会の仲間にはイラク、来年の参院選を考えればと慎重論がありましたが、私は野心で政治を考えたり政治行動を取ったりするつもりはありません。 岩見 河野・小泉間のバランスが重要になりますね。選挙直前に安倍幹事長という仰天人事がありましたが、安倍起用については自民党内は歓迎ムードでしたね。 世代交代進み自民も過半数が戦後生まれ 河野 明らかに選挙対策の人事でした。目の前の選挙にとって安倍幹事長は有効かもしれないなとみんなが思っていたのでしょう。その結果、大幅な若返りになりました。戦後生まれが自民党は52%、民主党は72%を超えています。 岩見 自民党は最長老の二人が去って、海部さんが入ってきました。 河野 自民党では山中、海部、橋本の三人だけが私より先に国会議員になっている人で、野党に至っては一人もいません。国会議員の中で戦争経験者、体験者が少なくなり、憲法改正論が大変な勢いで出ています。今や10代や20代の人たちにはゴケンといっても言葉はもとより意味もわからなくなってきています。ここまで来ると憲法を守ろうという主張は、外国に行って鉄砲は撃たないという精神だけは残すということだとはっきりと言わなければ、話が通じなくなっていますね。 岩見 ところで小泉さんのシナリオは、総選挙を人質に取って長老を勇退させ、安倍幹事長の起用も強引にやってのけてそこまではうまくいったと思います。ところが選挙の結果は自民党が安心できる状態ではありませんね。しかも他党の協力を頼りにしてですからね。話が前後しますが、政権選択の選挙という触れ込みで行われた総選挙ですが、やはり二大政党の流れでしょうか。 小党の意見に耳傾ける必要 河野 しかし憲法論議では自民、民主が同じ論調で、それだけに公明、社民、共産各党の意見に議長職としては、時には耳を傾ける必要があると思います。 岩見 今、自民、民主両党で全体の89%ですから、やはり二大政党と言えるでしょうね。一方、今度の総選挙では自民、公明両党の関係が改めて問題になりました。公明党の下駄をはかなければ選挙が出来ないというのでは政権党として問題ですし、自民党としては悩ましいテーマですね。 河野 この二、三回、とくに公明党への依存度が高くなりました。 岩見 このままでは自民党の自立性が疑われかねません。 河野 一方、民主党の若手による国会対策もまだ良くわかりません。 岩見 ベテランの知恵も大事です。老壮青のバランスを取っていかないとまずいですよ。それにしても小選挙区制も今度で三度目ですが、やはり重複立候補制度はおかしいと思います。直りませんかね。 河野 とにかく比例で救われた人が4分の1の120人もいますし、その人たちも含めて法案を作るんですから難しいでしょうね。 岩見 敗者復活と言っても13万票取った人もいれば小選挙区で18000票台しか取れなかった共産党候補が比例で救われていました。 河野 選挙直後はいつものことですが、比例区の復活議員は気が引けるそうです。それでも一年も経つと一緒になりますね。 岩見 小選挙区だけだと自民党の方が少ないそうです。単純比例だけでない人たちが増えて、復活当選組が一つの勢力になってきましたね。 河野 比例制は小選挙区に移行する時、これをつけなければ合意が出来なかったのでやむを得ずつけたいきさつがあります。最初から参議院は比例、衆議院は小選挙区とはっきりした方がいいかもしれません。両院の独自性を考えたら違った方がいいと思いますね。 岩見 政治の中身の話を伺います。日本の運命がかかっていると思われるこの自衛隊の派遣についてどういう認識ですか。 河野 この判断で戦後の日本の性格が変わる場面ですし、それだけに慎重でなければなりません。アメリカ政府もあれから二年経ってやっと落ち着きを取り戻し、もう一度考えようという動きになっています。このごろは国際協調を重視するパウエル国務長官の主張が反映されるなど、アメリカも姿勢を変えてきているように見えます。イギリスをはじめ国際社会も変わっているのに、日本だけ変わらないのです。 岩見 イラクの国連関連施設が爆破されて撤収している時に、日本の自衛隊が来てくれることはアメリカにとって国際社会に対して政治的なインパクトが強いので、日本をせっついて、小泉さんもこれに反応したように見えます。 ![]() 衆議院議長公邸の執務室で 果断な決定にも丁寧さは必要だ 河野 派遣は既定方針通りとしてももう少し丁寧にやるべきです。今、二人の外交官の死を乗り越えてといった声が聞かれますが、もっと遺族の気持を考えるべきです。彼等に指示を出した人の責任と、尊い外交官の命を失ったという気持ちが本当に伝わってきません。 岩見 事件が起きてからも政府の責任者が直接現場に行ったという話もないし、関係者から派遣について苦悩しているという声は出てきませんね。 河野 宮沢元総理はカンボジアPKOで警察官が死んだ時は自宅に出向いて弔問し、深刻に悩み、考えていました。 岩見 それに較べると小泉さんは非情で、大変雑な感じがしますね。悩み抜いた痕跡を語ってもらいたいと思います。 河野 自衛隊は出したら危険ですし、出さなければ別の不安が待っているという感じです。 岩見 イラクを巡って迷走状態がが続いていますし、メディアも迷走しているだけに立法府に期待が集まります。とにかく大変な時の大役ですが健康に気をつけてがんばって下さい。 (12月5日対談) |
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