河野元総裁、党本部で講演
立党50年記念総裁経験者リレー講演会
政権奪還までの秘話


 河野洋平元自民党総裁は通常国会開会に先立つ1月19日、党本部主催の歴代総裁・官房長官リレー講演会の講師を務め、総裁当時の連立与党との戦い、村山首班指名による政権奪回などを振り返り「大きな仕事ができたと誇りに思っている」と語りました。


自民党本部で講演する河野洋平元総裁(1月19日)



 この講演会は立党50年を記念する昨年来の企画で、中曽根康弘、宮澤喜一両氏ら元総裁、故後藤田正晴元官房長官らが、政権中枢を担った当時の政治と自民党の歴史を語ってきました。
 「久しぶりの党本部での講演になるが、現在政局に野心もないし、政局になるような話しをするつもりはない」と切り出した河野元総裁は、決断の時として「村山首班指名による政権奪還」を軸に、興味深いエピソードを紹介しました。
 そもそも自民党が一度政権の座を滑り落ちた背景について河野元総裁は党の歴史の上でロッキード事件などに象徴されるような「金にまつわるスキャンダルを繰り返し起こしてきたことを認めなければならない」と率直に指摘。宮沢内閣の頃までは、そのつど総裁の「顔」を変えたり、右寄り政権の次には中道寄りに戻す「振り子」の手法などで国民の期待をつなぎ止めてきたが、それも難しくなっていたと語りました。
 そのような中でリクルート事件を機に小選挙区制導入を巡る議論が沸騰し、一方では「佐川急便事件による金丸前副総裁逮捕という展開で都合が悪くなったのか、小沢一郎氏らの勢力が野党提出の内閣不信任案に賛成して、自民党内閣を打倒して新党結成に活路を求めるということを強行した」ため、「ちょうど私が宮沢内閣の官房長官の時に自民党下野という事態になった」と述べました。
 当時、河野官房長官は政調会長を辞任した三塚博代議士(森派前身の三塚派会長)と「この事態を打開し自民党政権を維持するためには、ハト派の改革派として野党にも評価が高い後藤田正晴副総理に総裁をお願いする他ない」とギリギリまで後藤田擁立に奔走したこと、総裁選に出馬表明していた橋本龍太郎氏に、「後藤田さんが出馬を引き受けたら降りてほしい」と頼みに行って了解を得ていたのに、結果として河野官房長官自ら出馬することになって気まずい思いでそれを告げたことなどが披露されました。
 村山富市社会党委員長の擁立にいたる過程について河野総裁は、村山総理と同じ選挙区の江藤晟一代議士が自己犠牲を厭わぬ発言で両院議員総会の空気を変えたことや、今は党を除名されている亀井静香氏の努力にも率直に触れながら、党内が協調し力を合わせることの重要性を訴えました。