河野議長、強行採決を回避
組織犯罪法改正、慎重審議を要請
通常国会は延長なく閉幕

 平成1年度予算、行政改革推進法などを成立させた第164通常国会は、延長することなく6月18日までの会期を終了しました。いわゆる共謀罪法案をめぐって与党に強行採決の動きが強まりましたが、河野洋平衆議院議長が「慎重審議」を求める異例の採決前の要請を行い、混乱は回避されました。



河野洋平と政治を語る会で
(5月9日東京プリンスホテル)

 国会後半、与党は教育基本法改正案、憲法改正に関わる国民投票法案などを提出し、大幅な会期延長をにらみながら成立を図ろうとしました。
 一方、民主党の前原前代表が偽メール事件で辞任に追い込まれて失速した野党勢力は、小沢一郎新代表の就任と衆院千葉7区の補欠選挙で議席を得たことをきっかけに対決姿勢を強めました。
 そのような中で小泉総理が「会期延長はしない」という方針をたびたび示したこともあり、与党には優先度が高いと考える法案については多少力で押しても早期成立をはかるべきだという機運が高まりました。
 テロ対策の国際条約に基づく、いわゆる「共謀罪」創設を含む組織的犯罪処罰法改正案について与党は、会期内成立を図るため5月19日に採決を強行する方針を決め、野党は強行採決すれば一切の審議に応じない姿勢を示しました。
 河野議長は国会の空転を回避するため、また同法案には適用対象などに拡大解釈を懸念する意見も根強いことを考慮して自民党の細田博之、公明党の東順治両国会対策委員長を呼び「国民の一大関心事になっている。私も事態を心配している」と慎重審議を求める極めて異例な「採決前」の要請を行いました。
 両党がこれを受け入れた結果、同法案の会期内成立は困難になり、その後小泉総理の強い意向を受けて会期延長せずに通常国会が終わったため、教育基本法改正案、国民投票法案、防衛庁を省に格上げする法案などと共に継続審議となりました。