
| リストラ、輸出頼みの経済でいいか=河野 年金問題で難しい参議院選挙に=相沢 |
![]() 河野 議員を引退されてから、政治を見ておられてどんな感じですか。 相沢 小泉さんは、良きにつけ悪しきにつけ、とにかくはっきりしていましたね、いまの安倍さんは少しわかりにくい。若いですね。それと今の政治は「何でも鑑定団」のようだ。何でも「官邸、官邸」ってね。日本は議会制民主主義の国なんでしょうに。 河野 「官邸の指示」とよく言われますね。 相沢 大統領じゃあるまいし。支持率が落ち、何か焦っているんでしょうかね。 今の議席は小泉さんが 河野 いま国会は、与党が議席の3分の2を占めています。ただ、この3分の2は小泉さんが郵政で支持されたものです。その数で教育の改革も、国民投票法も何でもやりますというのはね。そこでこの間の公務員法の時に僕は「国会は自民党だけの場じゃありませんよ」と注意したんです。 相沢 どうも内閣がお仲間集団で安倍さんには余り物が言えないのかな。公務員法も、国民投票法にしたって、いま、どうしてあんなに急がなきゃならないのでしょうか。 今どうしても憲法を改正しなけりゃならんと、国民投票法を通して皆が拍手する状況じゃないと思うんですがね。参議院選の争点にしようとしたが、結局引っ込めちゃったでしょう。 河野 ところで、経済はどうですか。 相沢 発表されている数字はいいですね。アメリカの景気は、住宅投資なんかが落ちてきて、そろそろ頭打ちじゃないか。ヨーロッパについてもそう言われてますが、それでも下降傾向というほどでもない。外国の景気に依存するところの多い日本にとって、環境は必ずしも悪くなっているとは思わないんですよ。 河野 国内は日産自動車にゴーンさんがきて「黒字に転換させた」「あのフランスの経営者はすごい」と言ったけれども、結局あれはリストラをやって自分が身軽になったからで、収益の増加原因は売り上げが増えて収益が伸びたのではなくて、人を減らしたりして「出るを切って」収益を伸ばしていたわけです。 最近はトヨタがすごくいいと。ところがこれもよくよく聞いてみると、とにかく輸出が大変に良い。国内の新車の販売台数は、むしろ落ちていると。 だから、リストラによる「数字」と、輸出に依存した好決算だとすると、数字はいいけれど、日本経済は本当にいいのでしょうか。 相沢 やっぱり経済は規制を緩和して、自由に活動させれば、どうしたって格差は大きくなりますね。経済の面で格差が大きくなると地方団体などにも格差が生じてくる。 国税を地方税に移したんですが、国税であれば、地方交付税の形で、財政力に応じた移転ができるけれども、地方税に移せば、そうはいかない。 河野 そこで「ふるさと税」はどうですか。 相沢 ありゃだめですね。僕は反対ですね。「ふるさととは何ぞや」ですよ。もらう方の団体だって予測がつかないでしょう。いつ降ってくるか分からない。来ないかもしれない(笑)。総務相の菅君の思いつきらしいが。 高等教育について言うと、国立大学をひとつひとつ独立法人にしたでしょ。私はあれは失敗だと思います。国立病院は全体を一本化したんですが、大学はしなかった。 今度は文部科学省が大学ごとの業績に応じて研究費を配分するといっている。いいところはうんと良くなりますよ。しかし悪いところはうんと悪くなる。 河野 ますます一極集中になりますね。 相沢 最後は大学が収益を上げることに意識がいき、基礎的な研究に金がまわらなくなると思います。 河野 この間ノーベル賞の小柴博士が来られて、科学研究でも儲かるところにはスポンサーが付き、カネが行き、若者もそこに行く。しかし私どものような基礎科学には誰も来ません。スポンサーも、すぐ商品に応用できるようなところにはつくけれども、基礎的な研究のところにはつかない。しかし、我々のやっていることは本当に大事ですよ。そう思いませんかといわれました。 裁判員制度には問題点もある 河野 いまは弁護士活動をしていらっしゃるんだけれど、問題の「裁判員制度」ですか、あれはどうなんですか。 相沢 何が目的でね、裁判員の制度を置くかわたしにはよく判りませんね。一つは裁判を促進するという目的のようです。 河野 促進になりますか。 相沢 なるようです。ですけどね、ことに刑事事件で、裁判員というのは法律の知識もないし、事実を認識するだけの十分なデータというのもくれるかどうか保障はない。とすると感情で、あいつはどうも悪人面しているなんていうのが判断に入ってこないでしょうかね。 河野 それと、最近は暴力団がらみの拳銃発射で死傷者が出る事件が頻発しています。 それが明らかに暴力団の構成員ですよね。それなのにマスコミも、政治家の発言も「誠に遺憾なことだ」と言うだけですね。なぜ本当に暴力団と徹底的に戦うという話しが出てこないのかと思うんですよね。 相沢 全く同感です。 河野 「遺憾なことだ」と言ってたんじゃ、こんな事件はなくならないですね。このピストルが何万丁と町の中にあるというんでしょう。 相沢 僕は国選弁護やれって言うんで、3回やりましたが、全部覚醒剤がらみです。事件の内容はともかく、何であんなに簡単に覚醒剤が手に入るのかと思います。 河野 それから親子の関係がひどいですね。 相沢 私は一つの原因は少子化だと思うんですね。うちでもそうです。この子がどっか行っちゃったりしたらと思うんですね。そうすると、昔みたいに5、6人も子どもがいるのと違ってね、叱りもしない、あんまり叱ってどっか行っちゃったら困るからね。 昔は兄弟も5、6人もいてひとつの社会だったけれども、いまは気ままに育って集団の教育がないまま学校へ行く。そうすると抵抗が出てくるんですね、社会の中に放り込まれると。自分の思うとおりにならない。訓練を家の中で出来ない。これは親もいけないですけれども、そういうプロセスを経てないことがありますね。 河野 最近の親子を見てるとね、とにかく耐性というか、忍耐力を教えてないんですね。 相沢 そうそう、我慢がね。もう少し、人間やっぱり辛抱を教えないとね。 河野 そこで、参議院選挙は。どうですか。 相沢 今日も為公会の会合で言っていたけれども、厳しいんじゃないでしょうか。 過半数には自民51必要 河野 今日、鈴木恒夫君が来て、参議院は定足数が242なので過半数は122。与党の非改選議席は58なのでそれを引くと、過半数維持には64議席獲得が必要。そのうちたぶん公明党が13人くらい当選するから、自民党は51名の当選が必要になる。 51必要のうち、比例区で15人程度は当選するだろうから、選挙区で必要なのは36議席。定数2から5の「複数区」が19あり、そこで1議席ずつ獲得すると仮定すると、29ある1人区のうち17選挙区で勝利する必要がある。ところが1人区は前回14しかとれておらず、今回それを3議席上回る17とれるかな、なかなか厳しいと言ってました。 相沢 そうすると過半数危ないかというと、自民党本部は、民主党もああいう状況だからね、そんなに負けないんじゃないかなと密かに思っているようですよ。 河野 安倍さんも、最初は争点は憲法だとか言ってたけれども、とてもそんなんじゃ。 相沢 年金でしょ、年金ですよ。それにしてもお粗末だな、5千万件ね。 河野 驚くべき数字ですね。安倍さんは1年でやると言うが出来ますかね、1年で。 相沢 1日13万件やると言うんでしょ。さあどうでしょうか。難しい参院選になりそうですね。 (6月7日対談) ![]() 憲法記念日特別参観で(5月3日 国会正面) |